少しは言い返せばいいのに、黙ったままだから余計に好き勝手されるんだ。


大人しすぎる花に呆れていると、教室内にバンッ!という大きな音が聞こえてきてハッとした。


振り向くと女子生徒の1人が秀太の頬を叩いたのが分かった。


秀太は右ほおを押さえて女子生徒を睨んでいる。


女子生徒の方は涙を浮かべて秀太を見ている状態だ。


あの子は確か秀太のちゃんとした彼女だったっけ。


「なんで他の子に手を出すの!?」


女子生徒が悲鳴に似た声で秀太に聞く。


秀太は呆れ顔になり「お前が浮気したからだろ」と、言った。


「浮気なんてしてないって言ったじゃん! なんで信じてくれないの!?」


「もういいだろ。どっちにしても俺は元々こういう男なんだよ。お前のいない所で浮気してたんだ」