教室内にはいるとすでに灰色のモヤが充満し始めていた。


琴がお菓子を広げ、灰色のモヤを吐き出しながら食べている。


弘樹がブツブツと灰色の何かを呟きながら美術雑誌を読んでいる。


秀太を取り囲んでいる女子生徒からは、絶え間なく灰色のモヤが立ち上っている。


みんなそれぞれの不満を噴出しているのがわかった。


あたしたちが撒いた種はちゃんと成長してくれているようだ。


その光景に安堵しながらあたしは自分の席に座った。


教室後方では今日も花がイジメられている。


最近はイジメメンバーが増えたようで、5、6人で花を取り囲んでいる。


その口から罵声が出る度に、モヤも出て来る。


あたしは花の様子を伺った。


花は何を言われてもグッと我慢している。