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学校までの通学路で、今度はお母さんを自由にしてあげなきゃいけないという話を、サクとした。


そのためにはなにが必要なのか、もう言わなくてもわかっていた。


もう1人殺してモヤを集める事だ。


「誰にする?」


サクに聞かれて一番に思い浮かんだのは花の姿だった。


花はあれからずっとイジメられているから、自殺に見せかけて殺すことが可能かもしれない。


「クラスの中だったら、1人だけだよね」


「やっぱり、花か」


サクの言葉にあたしは頷いた。


クラスメートを殺すことなんて今まで1度だって考えたことはない。


サクとこんな話をすることになる日が来るなんて、思ってもいなかった。