「お前たち! 来てくれたんだな!」


お父さんはそう言うと同時にあたしとサクを抱きしめた。


その力の強さに目が白黒してしまう。


「親父、苦しいよ」


サクの言葉にお父さんはそうやく力を緩めてくれた。


「悪い悪い。昨日来なかったから、もう来ないんじゃないかって心配してたんだ」


「ごめんねお父さん。昨日は色々あって……」


そう言って言葉を濁そうと思ったけれど、両親はあっちの世界であたしたちを見ていたのだと、思い出した。


言い訳をしても無駄なのだ。


「わかってる。大丈夫だから」


そう言ってお父さんはあたしとサクの頭を撫でた。


「怒ってないのか? 俺、婆ちゃんを……」


「あぁ! おかげでお父さんはここから離れることができるんだ! 離れるためにはもう1度呼び出してもらう必要があったから、今日来てくれて本当にうれしいんだ!」