サクの目の下には真っ黒なクマができている。


「サク、寝れなかったの?」


「婆ちゃんの、首の感触が残ってって」


そう返事をするサクの声はひどく震えていた。


あたしが眠っている間1人で怯えていたのかもしれない。


「ごめん姉貴。こんな事になるなんて、思ってなくて……」


「あたしだって同罪だよ。サク1人が悪いんじゃないから」


そう言うと、サクは目に涙を浮かべて「ごめん」と繰り返した。


「大丈夫だよ。それより、今夜はどうする?」


あたしの言葉にサクの表情が変わった。


「『ロッカールーム』?」


「そうだよ。昨日会えてないし、行く?」


そう聞くと、サクは少し迷ってから「行く」と、返事をしたのだった。