早くしないと近所の人たちが起きだしてきてしまう。


万が一見られたら、あたしたちはもう両親に会う事ができなくなるだろう。


2人でリビングへ戻ると悲惨な現実に変化はなかった。


相変わらず、そこには息絶えた祖母の姿がある。


あたしは祖母の足を持ち、サクは祖母も頭を持った。


床に垂れ流された糞尿で足を滑らさないように気を付けながら運ぶ。


魂の抜けた人間はとても重たくて、こんなに小さな祖母でも運ぶのに一苦労した。


あたしたちは裏庭の穴へと祖母を投げ落とした。


「あとは埋めるだけだよ」


「あ、あぁ……」


祖母の上に土を落とした瞬間、半開きになっていたその目と視線がぶつかったような気がした。