サクは顔を真っ赤にして起こっている。


自分たちが会って来た両親を否定された気持ちになっているのかもしれない。


今のあたしがそんな気持ちだから、よくわかる。


「親父は生きてる! 母さんだてって生きてるんだ! 俺たちは2人がロッカーから離れられるように毎日努力してるんだよ!!」


サクは怒鳴りながら椅子を蹴り上げた。


ガンッと大きな音を立てて椅子が倒れる。


その行動に祖母が震えた。


「やめなよ。そんなことしちゃいけないよ?」


「誰のせいだよ! お前が両親のことを信じないからだろ!!」


サクは怒鳴りながら祖母の胸倉をつかんだ。


その瞬間、あたしはハッと息を飲んだ。


憤怒。


紙には涼の名前を書いたけれど、これはサクにも当てはまることだったのかもしれない。


誰の中にも眠っている本性が出て来たのだ。