サヤの表情が険しくなる。


本当はストラップの売っている場所なんて知らない。


もしサヤに問い詰められても『似たようなものだったから間違えた』と、簡単に言い訳することもできる。


サヤの友人は今教室にはいない。


ストラップが付いた鞄は机の横にかけっぱなしだ。


「じゃ、いいバイトが見つかったらいいね」


あたしはそう言い、サヤから離れたのだった。