「え? こんなの普通だよ?」


「冗談でしょ? こんな変な店でなんて働けないよ」


「だけどここ、待機してる時間にも1時間1500円の時給が支払われるんだよ? 指名されたら3000円」


サヤはマジマジとスマホ画面を見つめた。


「ほんとだ……」


「指名された子はマジックミラーになってる部屋に1人で入るだけ。おじさんたちは別の部屋から女子高生を見てるだけ。こんなにいい仕事ってないじゃん」


サヤがごくりと唾を飲みこんだ。


本当は部屋に入ったあとお客さんが選んだ衣装に着替えるのだ。


着替えのシーンとお気に入りの子に好きな服を着てもらうことで、お金をもらうのだ。


だけど、その説明は伏せておいた。


サヤだって本気で働きたくなったらそのくらいの情報は調べるはずだ。


「これで沢山稼いで沢山買い物ができるじゃん」


「そうだね……」