「うん。ロッカーの上に体育館シューズがあったから誰かの忘れ物かと思って手に取ってみたら、その中にカメラが仕掛けられてた」


早口で説明するクラスメートに、あたしはサクを見た。


サクは軽く肩をすくめてみせただけだった。


「盗撮ってこと?」


もちろん、これはあたしが仕掛けたことだった。


花は今日体育の準備係りで人より早く着替えをする。


それはカメラを仕掛ける人物として最も適切だと考えたんだ。


だからあたしは花の使うロッカーの上に、カメラを仕掛けた。


体育館シューズは昨日の夜あらかじめ準備しておいたから、着替え中不自然にならないようにロッカーの上に置くだけでよかった。


もう捨てようと思っていた体育館シューズを置いておいて正解だった。


そのシューズには花の名前を書いておいた。


疑われるのは間違いなく花だった。


「先生を呼んできて!」


あたしは大きな声でそう言ったのだった。