ったく。

闇雲愛は相変わらずの変人だ。


ヘンジン……

いや、ヘンタイ??


「いい……!!」

「は?」

「え、なに、いまの、『あんたから酸素抜ききってやろうか』……!?」

「復唱するな」

「名言誕生だ!!」

「完全に迷うと書いての迷言だよね」

「梁ちゃん名台詞集に書き加えておかねば」

「そんなの作るんじゃない」

「梁ちゃん成長記録の方がいい?」

「親目線なの?」

「ああ……是非……抜ききって、欲しいなぁ……」

「は……」

「注いで? CO2 その可愛い口元から……柔らかい、唇……」

「っ、おかしな想像するな!」

「そしてボクが息絶える前に梁ちゃん、2人の愛の結晶を……」

「ほんとやめて。……死にたいの?」

「その顔」

「……?」

「可愛いねぇ」

「なっ……」

「ほんと、可愛い」


生粋のイケメン……なんだけど。


お金持ちで勉強も運動もできて

黙っていれば文句なしなのに。


「子供の名前、なににしよう?」


――どうしてこうも残念なの?