「ボクの思ってること、聞かなくても当てちゃうなんてすごくない? なに? 妻なの!?」

「はぁ?」

「『アレ冷蔵庫からとって』『ハイハイ、アレね』で通じ合える関係ってもう夫婦だよね!? お互いなくてはならない空気みたいな存在ってことだよね。え、唯一無二の存在!?」

「あんたの会話がワンパターンなだけ」

「ワンパターン? そうか、それじゃあこれからはもうちょっとアブノーマルなのを混ぜるか」

「ノーマルではないよね、いつも」

「だけど梁ちゃんを夢に出すのは難しいんだよね」

「出すな」

「出てきても、ほら、ボクって奥手だからなんにもできなくて」

「するな」

「だからね、梁ちゃん。いいことを思いついた」


……それ絶対にいいことじゃないよね。