私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~

俺がなにも知らないと思って、こそこそ花岡を他の男に渡そうとしていたのも気に食わなかったし、花岡の理由はどうあれ、夫妻の言いなりになっていたのも釈然としなかった。けれど、それはすべて、俺が彼女に対していい加減な態度をとり続けていたせいだ。

自分の振る舞いを悔いながら、俺はなんとか彼女を引き止めることができた。

たったひとりの女のために、なりふり構わずここまで必死になって、水谷にはカッコ悪いところを見せた。

「あなたも大概ですね。好きなら好きと言ってあげればよかったのに」

ホテルへ向かう車でそんなふうに水谷に笑われても何も言えなかった。それだけ、俺は花岡を手放したくない一心だった。

彼女の暖かさに触れ、全てを感じた。自分の気持ちに正直に、素直にならなければ、取り返しの近ないことになることもある。ということを思い知った。

おそらく、花岡は、なぜ、俺がホテルに現れたのか不思議に思うかもしれないが、そんな裏の事情なんて絶対に教えてはやらないつもりだ。教える必要もない。なぜかというと……。

そんなこと、気にもならないくらいに俺は一生、彼女を愛し続けるから――。  END