私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~

「ごめん、自分から誘っておいてなんだけど、このあと約束があるんだ」

申し訳なさそうに手を合わせる沙耶に私は、“とんでもない”と首を振った。

「明日からまた頑張る! ありがとう沙耶」

いつまでも落ち込んではられない。何もしなくても明日は来るが、何かしなければ前には進めない。

「そうそう、その意気だって! 会社が潰れたのは何かの転機だと思って、自分のやりたいことしたらいいんじゃない?」

「うん、そうだね」

沙耶の笑顔に気持ちを押されて、鬱々とした気持ちがだんだん晴れるような気がした。

――自分のやりたいこと……か。

私はもう一度コーヒーに口をつけると、ほろ苦くほろ甘い味わいが口内に広がり、濃厚な旨味が全身に染み込んでいった――。