私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~

「でしょ? でしょ? コーヒー好きの里美ならそう言ってくれると思ってたんだよねー」

私の賞賛を待ってました、と言わんばかりに沙耶の表情がぱっと明るくなった。

「うん、今までのコーヒーとちょっと違うってなんとなくわかるよ、それに感じのいいお店だし」

「そう? それならよかった」

店に入ってどのくらい時間が経っただろう。先ほどまでの私は、不採用通知を受け取ってあまりの落ち込みに、自分で注文したコーヒーどころか店の雰囲気さえ堪能する余裕もなかった。

鼻から抜けるコーヒーの香りにだんだん沈んでいた気持ちも軽くなってくる。それに、せっかく誘ってくれた店で、自分の辛気臭い身の上話も申し訳ない。そう思ってなにか話題を考えようとした時、沙耶がチラリと腕時計に視線をやった。