私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~

「ねね、ところでさ、ここのお店気に入った? たまにひとりでふらっと来るんだよね」
辛気臭い話にピリオドを打つように、不意に明るい声で沙耶が言った。まだ温かさが残っているのか、沙耶は白いマグカップを両手で包み込むようにしてニコリと笑った。

「ひとりで?」

「うん、スフラの店舗の中で、ここが一番好きなんだ」

どちらかと言うと沙耶はいつも友人を連れ添って出かけるタイプだと思っていた。だから飲食店にひとりで来るなんて意外だった。