先生、ボクを飼ってよ



教室に戻ると、みんなが心配の声をかけてくれた。



「サボりか?」



……一人を除いて。



修はあたしが席に着くと、前の席の椅子に座った。



「整理したかったの。頭の中」


「それで、出来たのか?」



出来たような、出来てないような。



そんな曖昧な状態で、答えられなかった。



「そこまで難しく考える必要はないと思うけどな」


「え?」



修の言葉に、思わず間抜けな声を出してしまった。



「森野ならまだしも、お前がそこまで悩む必要はねえよ」


「どうして繭先生が……」


「教師と生徒だぞ。悩まないほうがありえねえ」



それはそうかもしれないけど……



「それに、だからこその拒絶だろ」



立場的なことを考えて、みたいな……?