先生、ボクを飼ってよ



出来なかった。



あたしはただ、先生に自分の考えを押し付けただけ。



というか、瑞貴はそれを望んでた?


違う。


望んでない。



瑞貴も、先生も。



この始まって間もない恋愛に、すでに終止符を打った。



……あたしが納得いかなかっただけだ。



あたしは、自分がその恋愛に参加出来なかったことが、許せなかったんだ。



自分が意気地無しだっただけなのに、それを二人のせいにした。



瑞貴が恋愛に興味ないからと、告白しなかったし。



「あたしって自分勝手すぎ……」



当人同士が終わったことに納得している。


なら、部外者が口を出すべきじゃない。



先生の言う通り、あたしには関係ないことだった。



「あーもう。本当にバカ」



予鈴が鳴っても教室に行く気になれなくて、あたしは始業式が終わるまで保健室にいた。