午後3時、きみと夢のなか



「…特別な子…って、どーいうことなんですか…」


次々に生まれてくる涙で、せんぱいの顔はぼんやりと霞んでくる。


「…あれ、本当に分かんない? 凰香ちゃん泣いてんのに、おかしいな」

「…っ意地悪言わないでください…!もう…!」


頰を伝う涙を、親指で拭ってくれながら、せんぱいは冗談を言う。

こんな時にも、大人な余裕。ずるい。

せんぱいは、やっぱりずるいよ。



「…嘘だよ、ちゃんと言う」

「…っ、」




「—— すきだよ、凰香ちゃん」




その瞬間に、わたしの世界はまた夢の中で浮いているように色が変わって。
せんぱいの言葉の魔法によって、しあわせに包まれていく。

…せんぱいの気持ち、知らなかった。

大切にされてたのは知ってたけど、そんな風に思ってくれていたなんて、思わなかった。

今日、こんな言葉を言ってくれるなんて、想像もしていなかった。


「…うっ、なんでですか…?この間あんなことしたから、責任とるとか…っ、そーいうの、要らないですよ、わたし…っ」

「はあ〜!?なんでそうなるんだよ!俺は割と前から凰香ちゃんのこと本気だったっつーの、気づいてなかったの?」

「知らないですよ〜〜」


もしかしたら、わたしの夢と、せんぱいの夢が繋がっていたのかもしれないなんて、そんなこと、考えたことなかったよ。