・・・

せんぱいがきみかさんたちの元へ行って、次の日の金曜日には、スマホに連絡が入っていた。

連絡先は知っていたのに、まるで活用されていなかったそれは、久しぶりに新しいメッセージで埋め尽くされて。


『行ってみたら全然普通に祝えた。凰香ちゃんのおかげ、ありがとう』

と、シンプルな言葉が並んでいた。


朝、そのメールを見て、少しだけホッとした。せんぱいが、ちゃんと大切な人の大切な出来事を祝うことができたってことが、わたしはうれしかった。



…そして、今日は土曜日。

学校はお休みだから、いつものよりも早めに家を出た。


せんぱいと、あんなことがあったからって、特に何が変わるわけでもない。

今日も、いつものようにバイトに行って、せんぱいを起こして、子どもたちのために働くだけだ。


「…今日も、差し入れ持って行こうっと」


大学の中に入っているコンビニに寄る。1週間が終わってヘトヘトのせんぱいを起こすために、わたしはいつものように栄養ドリンクを買って行く。

…ほんとは、ご飯とかも作ってあげたいなあとか、そんな想いはあるけれど。

彼女でもなんでもないし、これくらいしかできない。そんな現実も変わらない。