午後3時、きみと夢のなか



せんぱいのこと、少しだけまた分かったことができた。

加野せんぱいは、かなりの不器用だ。


「…せんぱいが、そんなに謝ることはないです」


あんなに、色々なことを器用にこなしていくのに。テキパキしてるのに。仕事もできるのに。

こーいうところは、不器用なんだ。

加野せんぱいは。



「…凰香ちゃんほど、俺のことを想ってくれてる人なんて、今までいなかったから。だから、どうしても、こんな形で不安を消す方法は取りたくなかった」

「…加野せんぱい…、」



…加野せんぱいは、

自分は、君花さんしか自分のことを分かってくれないって思っているのかな。

こんな自分のこと、誰も本気で好きにならないって、どこかで思っているのかな。


高校の頃、せんぱいがどんな想いをしたのかは分からない。

君花さんとどんなことを話して、告白して、どんな風に今を迎えているのかなんて、わたさには分からない。

生まれた時からずっと好きだった人を、諦める気持ちがどんなものなのか、

そんなに愛した人が、別の人と人生の大きな一歩を迎えようとしている、それを見送る立場であるせんぱいの気持ちを、


わたしは、知らない。