午後3時、きみと夢のなか



「…あぁ、ごめんね凰香ちゃん。この子、俺の幼馴染。そして、その隣にいるのが幼馴染の彼氏」

「…」


加野せんぱいは、すぐにわたしの方を気づいてくれて、初めて会った2人を紹介してくれた。


「あ、初めまして。わたし、潮田君花って言います。朔ちゃんの幼馴染です。そして、こっちがわたしの恋人の雨宮飛呂くん」

「…あ、えっと…はじめまして…」



向けられたふんわりとした笑顔に、急いで頭を下げた。


…やっぱり、この人が “ きみかさん ” なんだ。加野せんぱいの、大切な幼馴染。

…でも、隣にいるのは、きみかさんの恋人って言ってた。

ということは、きみかさんは、加野せんぱいと付き合っているとか、そういうことじゃないってこと…?



「えっと…、加野せんぱいと同じ大学で同じバイト先で働いてます、中谷凰香です。加野せんぱいにはいつもお世話になってます」


自己紹介をしながら、少しだけホッとした。

…よかった。きみかさんが、加野せんぱいの恋人ってわけじゃないんだ。


「あなたが凰香さんなんだね!いつも朔ちゃんからお話を聞いてます。バイト先の後輩に、すごく良い子がいるって!ねっ、朔ちゃん」

「…君花、お前暴露しすぎ…」


きみかさんの額を、加野せんぱいは軽く叩いた。

その顔は、少しだけ照れている。


「朔ちゃん、いつも寝てて凰香さんに迷惑かけてるって。もともとあまり眠らない人ではあるんだけど、レポートでかなり疲れてるみたいで。ごめんね」

「いえ…わたしはべつに…」


…きみかさん、加野せんぱいがいつも寝てることも知ってるんだ。仲良しだなあ。


「あー、君花。もう暴露大会はいいから。つーかなんでこんなとこ歩いてんの?着いたなら連絡しろって言ったじゃん。ヒロくんも」

「知らねーよ。俺たちだって今こっちに着いて向かってたところなんだから仕方ねぇだろ」

「お前は相変わらず口が悪いな」


…そして、ヒロさんとも。

加野せんぱいの、いつもは見ない顔が見られた気がする。