「———あれ? 朔ちゃん…?」
不思議そうにわたしの方をじっと見つめるせんぱいを見ていると、
せんぱいの向こう側から、可愛らしい高い声が聞こえてきた。
その瞬間に、わたしの身体が固まる。
そして、加野せんぱいの目が、今までにないくらい見開いたのも、わたしは見逃さなかった。
「…朔ちゃん?朔ちゃんだよね?」
徐々に近づいてくる声。
“ さくちゃん ” という呼び名に、加野せんぱいは反応して、そのままわたしと反対側の方を振り返った。
「———…君花」
…そして、重みのある声で、ずっしりと呟かれる、名前。
怖くなって一瞬逸らしていた目を、少しずつせんぱいの向こう側に向けた。
「よかった。違う人だったらどうしようって思っちゃった」
「…」
すると、そこには、小さくて可愛らしい女性がひとり。
そして——…
「げ、やっぱりヒロくんも来たんだ」
「げってなんだよ。お前は相変わらず失礼な奴だな」
…その女の人の隣に、これまた今までに見たことのないくらいカッコいい男性が、ひとり。
「…」
あれ…?
さっき、加野せんぱい、この女の人のこと、“ きみか ” って、呼んだよね…?
てことは、この人が、加野せんぱいの幼馴染の女の人…?
じゃあ、その隣の、男の人は…。



