午後3時、きみと夢のなか



「…何してんの?」


真大さんと話を終えた瞬間、痺れを切らしたように控え室のドアが開いた。

そこから顔を出している加野せんぱいは、わたしたちの様子を見て、少しだけ目元を動かした。


「声、聞こえてるから何かと思ったら。真大と話してたのか」

「…っ」


少しずつ近づいて来るせんぱいから、顔を背ける。泣いてた顔を見られるのは嫌だ。


「おう。朔太朗、今日は寝てないんだな」

「ばか。寝太郎じゃねーんだよ。真大は早く準備しな」

「…、はいはい」


真大さんは、わたしを心配そうに見ながら、そのまま控え室の方に向かって行った。

結局、誤魔化すことも出来ずじまいだった。真大さんには結を通してでもちゃんと説明しておこう。迷惑をかけてしまったから。




「…凰香ちゃん、」

「…!」


顔を背けているのに、静かになったその空間は、せんぱいの声で満たされた。

…怒ってるのかな。声が低い。

でも、そうだよね。
せんぱいは、ただ今日の予定について話してくれただけだったのに、勝手に出て行って、挙げ句の果てにこんな顔をしていて真大さんに頼ってるところを見せられて。

なんで、わたしがこんな行動をとってるのかなんて、分からないわけで。


…いい、迷惑だ。