午後3時、きみと夢のなか




「…何、真大のこと、気になるの?」

「………えっ!?」


またボーっと考え込んでいると、加野せんぱいは文字を書きながらわたしに聞いてきた。

ていうか、今「気になるの?」って言った?
気になるって何が?わたしが、真大さんのことを気になっているかってこと?


「…な、何でそうなるんですか!親友の彼氏ですよ!?」

「分かんねーじゃん。好きにならないって断言はできなくない?」

「いやいやいやいや!ないです!いくら真大さんがカッコよくても、イケメンでも、そこは親友の彼氏ですから!わたしは絶対に有り得ないですね!」

「……」


どうしちゃったの、加野せんぱい。もしかして、わたしが真大さんのことを好きそうにしてた?嘘でしょ。

そんなのあってたまるか。もし誤解をしているのであれば、今すぐにそんなもの解いてやりたい。

…第一、わたしの好きな人は加野せんぱいなんだから、そんなこと、冗談でも言わないで欲しいよ。


どうやって誤解を解いてやろうかと考えていると、目の前の加野せんぱいは、少しだけ笑いながら、

「…そっか。“ 有り得ない ” か」

…そう、つぶやいていた。



「…そんな感覚なのか。完全に枠外っていう。だから絶対に好きにならないって言い切れるんだな」

「…?」


ボソボソと、加野せんぱいが呟いている内容が、あまりよく理解できない。

完全に枠外?絶対に好きにならない?


…どういう、こと?