午後3時、きみと夢のなか



何となく即答はできなかった。さっきの加野せんぱいの厚意を断ってしまったから、何となく。まぁ、加野せんぱいはそんなこと気にしないんだろうけどさ…。


「いいよ。あの辺、街灯も少ないし危ないじゃん。俺、この後結の家に寄っていくから、ついでに送っていくよ」

「…本当ですか」


ちらりと加野せんぱいの方を見る。何も気にせず、子どもの様子を書いているせんぱいに、少し心がしぼんだ。


「…じゃあ、お言葉に甘えてもいいですか。念の為、結にも連絡入れておきます」

「全然いいよ。結には俺からメールしとく」

「ありがとうございます」


真大さんって、本当に良い人だな。結が高校から惚れ抜いている意味が分かるというか。サバサバしてるのに、あんなに優しくてお兄さん気質な人が彼氏だったら、そりゃあベタ惚れになっちゃうよね。

あんなに素敵な人が、親友の彼氏で良かったって心から思えるよ。



「ちょっとトイレ」と言って、真大さんは準備室から出て行った。

残されたわたしと加野せんぱいは、急いで目の前にある仕事を済ませる。


…せんぱい、さっきから全然話さないな。まぁ、この後大学に戻らなきゃいけないって言っていたから、急いでるんだろうけど。