午後3時、きみと夢のなか



「…え。2人って知り合いなの?なんで?」


盛り上がるわたしたちを他所に、眉間に皺を寄せて不思議そうな顔をする加野せんぱい。

それもそうか。ほとんど講師の知り合いがいないわたしにとっては、珍しい光景だ。


「えっと、ザックリと言うと、わたしの親友の彼氏なんです!真大さん!」


今日だって聞いた名前。よく、結の口から聞く名前。そして、いつもいつも見せられていた写真と同じ顔。

学部は同じなのに、今まで一度も挨拶したことなかったから、まさかだった。同じバイト先だってことは分かっていたけど、こんな偶然があるなんて。


「そっか、君が凰香ちゃんね。いつも結がお世話になってます」

「い…、いえいえ!こちらこそ!」


ひえ。親友のイケメン彼氏に頭を下げさせちゃった。恐れ多いよ。

ていうか、本当にかっこいいんだなあ。結ってば本当にすごい。頑張ったって言ってたけど、こんな人と付き合うには相当の努力があったんだろうなあ。


思わず、じっと真大さんの方を見てしまう。なんだか、ゲイノー人に会ったみたいな感覚だ。あとで結にメールしておこう。


「凰香ちゃんは、何年生担当してんの?俺は3年生を担当してた人の代わりで来たんだよ、今日から」

「そうなんですね!わたしは1年生です。加野せんぱいと!」

「そう。1年生はまた大変だよね」


ひえ。真大さんってばイケメンのうえに優しい人でもあるのか。やっぱり結、すごいよ。