狂った彼に花束を

どれ位の時がたったのかは分からない…しばらくして、ドアが開いた。私は勢いよく、その人に抱きついた。

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」

呪文のように何度も何度もつぶやく。

「…おい、落ち着け。」

私がなりふり構わず抱きついたのはあの全身黒の男だった。