恐怖の渦の中


これは俺からの宣戦布告と同じような意味を持っていた。

俺の攻撃を受けた千恵の反応は大きなため息を吐き、平常心を保った。


「なに?私を言葉責めで倒す為だけにきたの?そんな事ならもう実行出来たから早く帰って。私はまだやりたい事があるの。」


「....千恵。あの時、保健室で言ってた"あの女の人"って誰なんだ?」


千恵の表情が"女の人"というワードで固まった。我慢をしようとしているが、身体は少しながらガタガタ震えている。


「な、何のこと?私はそんな事言ってない。」


「いいや。お前は確かに保健室で言葉にしたし、今も覚えている筈だ。お前が挙動不審なのは"あの女の人"のせいなのか?」


「いや、本当に何のことかよく分からないし。聞き間違いじゃないの?」


千恵の声が段々と弱々しく小さくなっていく。


「そんな事は無い。それは月璃と加奈に聞けば明らかだ。」


「いやいや。それに挙動不審って...そんな事は全然ない。私はいつも通りだし....に、西条君はきっと昨日の矢野さんのやつの犯人は近場にいると思ってて、私を犯人に仕立てようとしてるんでしょ?やめてよ....そういうの。」