千恵の家には行ったことがあるので分かっていた。学園祭の発表の打ち合わせみたいな形で集合させられたのだ。
千恵の家は自転車だとそこまで時間はかからない所にあるので、すぐに着いた。
どこの家とも変わらない平凡な家。学校での千恵はいつも口うるさい母親見たいな感じだが、こうして住んでいる家を見ると、千恵も一人の子供ということを感じさせられた。
家に明かりは二階の一室しか付いていなかった。俺と同じく、家の人は全員どこかしら出掛けているのだろう。玄関のすぐ側で自転車を停め、俺はインターホンを鳴らした。
誰も出てくる気配はない。俺はもう一度鳴らして、ドアに耳を当てて中の音を聞き取ったが、やはりこちらへ向かってくる足音も気配も感じられなかった。
千恵は部屋に篭っているのは明らかだ。昨日のことがショック過ぎて一人になりたいのだろう。だが、俺にはどうしても引っかかっている事があった。
今の千恵の行動は里沙と被って見えてしまうのだ。里沙は死体を発見してから四日、正確には五日間家にいた。千恵も里沙が死んでから一日目でこの様だ。
まだ確定的に関連性は無い。敦はまだ分からないが、里沙と千恵の二例しかないのだから。だけど、関連性は無い筈だと分かっているのにも関わらず、妙に嫌な予感がするのはやはり昨日の千恵の言葉が頭に残っていたからだ。



