「君達に言ったことは嘘。ありゃあしねぇんだよ、我慢するだけで助かるなんざ。そういう意味では行動に移した君達は正解だ。」
「じゃあ何で分かんだよ。無理って...」
「まぁ正確には無理じゃあない。だが、成功確率はあまりにも低いし算段もない。もっと確実なものにする為にもっと慎重じゃなくちゃあいけない。何せチャンスは一度だからな。」
「...あんたは何を望んでんだ?あんたの目的が全く見えない。」
和一先生は何処か遠くを見て溜め息を吐く。仕事終わりの疲れ果てた溜め息のような。
「俺は君達と同じ、アイツ...鬣犬を倒し呪いを解く為に動いている。」
「は?そ、それなら何で俺達と協力しようと思わなかった!?そうすればもっと早く」
「無駄だからだよ。君達と協力して俺が得られる利益は何一つ無かった。君達より俺の方がよく呪いのことには詳しいんだ。
それなら利用させて貰った方がこちらとしては利がある。」
「そもそも何であんたは鬣犬のことを知っているんだ?呪いの対象者でもないのに何で....それに嘘をつく理由も、あんたの何もかもが分からない。それに加奈が何でここにいる!?病院で安静にしてた筈だろ!?」
「...全く....一度に多くの質問をするな。まぁいい、全て答えてやる。ここまで無知だったのにやってきた栄治君に敬意を評し、教えてあげよう。俺がどのようにして鬣犬の呪いと関わったのか、その全てを....」



