俺達に呪いがかかってしまった以上、早く行動しなければいけないし、加奈と青山をもうこれ以上巻き込むことはしてはならない。
「敦...俺も覚悟決めたよ。鬣犬を倒そう。皆の仇を、加奈と青山の呪いを解除させよう。」
敦は無言で頷いた。何処か安心感がある、今度やったらもう負けないという、理由がない確信的なものを感じていた。
車は山道を終えて、ようやく公道を走れるところまで来た。
矢沢さんは今まで抑えていたアクセルを思いっ切り踏み、一気に病院まで向かってくれた。
薄目だが、目を開けて弱々しくしている加奈の髪を触った。
まさか加奈が俺の事を自分の身を挺するまで想っていた事が今でも信じられなかった。加奈は何としても助けたい。そして、俺は....
加奈は優しく撫でられ、弱々しいが笑顔を作っていた。俺はなんだか穏やかな気分になっていた。
すると急に俺達の身体が右に飛んだ。
咄嗟のことで頭が追い付かず、どうしていいか分からずにいた。
次に左の方に力が加わり、俺達は左右に揺さぶられる形になった。
「バッ!危ねぇだろ矢沢さん!!一体どうしたんだってんだ!?」
敦は吠えて矢沢さんに話し掛けるが、矢沢さんは顔を真っ青にしながら、ブルブルと震える手でハンドルをまた左右に振った。



