三人とも違う意見を言っていた。何故なのか、本当に分からず頭がパンクしそうになっていた。
「あ?本当にてめぇら何言ってんだ?何が見えるってんだよ...」
「は?お前....マジで言ってんのか?」
青山がそう聞くが、敦は疲れ果てた表情をしていた。なぜが敦だけ見えていない。
その理由を考えるのと同時に、坂目さんの反応が危ないと察した。
「ハァハァハァハァ...また追い掛けられる....い、嫌だ!もう嫌だ!!俺がどんだけ追い回されたか....誰か!誰か助けてくれぇぇ!!」
「!!待って!坂目さん!!」
俺の声も届かず、坂目さんは屋敷の中で逃げようと、敷地内に入った。外より中の方がいいと思ったのか、ただ無我夢中だったのかは分からないが、普通考えて見てれば絶対に入ってはいけない場所に入ってしまったのは明らかだ。
坂目さんは玄関のドアノブに手を掛けようとした瞬間、ドアが急に開かれ、坂目さんは包丁で腹を刺された。包丁は背中まで出てきていて、坂目さんは血反吐を吐いた。
坂目さんを刺した人物は....鬣犬だった。敦に殴られた後の頬はまだ直っていなく、出来たての熱々のスープのように、オレンジ色でグツグツと煮だっていた。
いつの間に移動していたのだろうか、そう思いすぐにさっきの木の陰を見ると、まだ棒立ちしている鬣犬の姿が目に映る。



