恐怖の渦の中


「なんだ栄治...今だろ!今があいつを殺せるチャンスだろ!!理沙ちゃんと笹井の仇を取るんだ!」


「今じゃなくてもいい!!取り敢えず脱出するんだ!怪我人がいる!!」


「そんなの後でいいだろ!!いいか?あいつは今負傷してる!今がチャンスなんだ!!」


「違う!逆に危ねぇんだ!!この屋敷には罠が多く設置してある。あいつはお前をどこかで罠にかからせようとしてるんだよ!!」


「そんなのどっちだっていい!!俺は仇さえ取れればどうでもいい!!俺は行く!!」


「お前約束守れねぇのか!?「一人で突っ込まない」「自分が死んでいいって考えるな」。そう約束しただろ!?
....頼む。ここにはまた対策を取ってからがいい。ここからはリスクがでかい。」


敦はチラリと加奈と足を怪我した青山の方に視線を向けて、ギリギリと歯ぎしりをしていた。


「...二人を病院に連れてく。それが終わったらすぐ戻る。分かったな?」


「....ある程度準備したらな。」


俺は加奈の両手を掴み、おんぶして運んだ。敦は青山に肩を貸してやってくれた。一方坂目さんはキョロキョロと辺りを警戒し、挙動不審になっていた。

俺は先行して、片手でドアを開くと、そこは当たり前だが外。希望に満ちた楽園だった。


「加奈。ほら、外だぞ?お前は助かるんだ。」


「う....ん。良かった...」