鬣犬の余裕は一体何処に消えてしまったのだろう。敦の怒号だけで鬣犬は縮こまってしまっている。
そこで鬣犬が抑えていた敦に殴られた頬が顕になった。
殴られた部分オレンジ色に光っていた。というより、本来肉がある部分が光っていて、その周りは焦げたような感じに更に黒く澄んでいた。
敦が何をしたのか、それが全く検討も付かなかった。
「理沙ちゃんだけでなく皆まで....許さねぇ許せる訳ねぇよなぁ!!!なぁクソアマァァァ!!」
「ゆ、許してぇぇぇぇ!助けてよ!パパ!ママァ!!」
鬣犬はそんな弱々しい言葉を発すると食卓の方へ一気に移り、右の方へと曲がって姿を消した。そう思った途端、鬣犬は誰かとぶつかって倒れた。
鬣犬は坂目さんとぶつかったのだ。坂目さんも鬣犬もお互いを大きな目で見て仰天していた。
「きゃァァァァァァ!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
その隙を見て、敦は鬣犬に更に攻撃しようとすると、鬣犬は叫びながら一目散に逃げていった。
「ま、待ちやがれ!!」
「敦!お前が待て!!」
俺の言葉に反応し、鬣犬を追い詰めようとした敦の身体が止まる。



