恐怖の渦の中



やはり三人とも殺すきだった。
鬣犬の最初のターゲットは鬣犬の目線を見れば一目瞭然、倒れている加奈だった。


「や、やめろ鬣犬!!俺だ!俺だけにしろぉ!!」


俺の言葉を無視し、鬣犬は倒れている加奈に向かって包丁を振り上げた。

その時、階段横から現れ、俺の前から鬣犬の方へ向かっていく人影が見えた。

その人影は拳を握り締めており、目の前の獲物でいっぱいの鬣犬に向かって、全速力で向かった。


「この....クソアマァァァァァァァ!!!」


それは敦だった。敦は大きな拳で思いっ切り鬣犬の頬を殴った。鬣犬は殴られると、そのまま後ろの方へと倒れた。


「ぎ...ギャァァァァァ!!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!!」


鬣犬はそう叫びながら飛び跳ねて、殴られた頬を抑えながら敦と距離を取った。
鬣犬は俺達にしていたあの余裕のある笑みは既に消えて、敦に対して怯えていた。


「てめぇ....よくも俺をあんな寒いところに閉じ込めたな....それにこの有様....全部てめぇがやったことなのかぁ!?どうなんだゴラァ!!」


「ひいいいいいい!!」