俺はそれをしゃがんでかわし、すぐに鬣犬の後方で回った。そこで鬣犬から貰った木の棒を持って鬣犬の膝裏目掛けて思いっ切り殴った。
鬣犬の膝はいとも簡単にカクンッと曲がり、体制が落ちた。
俺は木の棒をそこらに捨てると、鬣犬の背中に思いっ切り体当たりをした。
こんなのただビックリさせるだけ、鬣犬にとってのダメージは何も無い。そんなのは分かっていた。だが、一泡吹かせることが出来るのは確かだ。
鬣犬は膝が曲がっている影響で俺の体当たりに対する力は何処にもなく、そのまま力の流れで前へと倒れていく。それは地下に入り口だ。
鬣犬は何とか入り口の淵に手を伸ばして入らないようにしたが、俺はそれを見逃さず、すぐに蹴り払った。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!!!」
鬣犬は悲鳴に近い怒号を発しながらゴロゴロと入り口から地下室まで転がり落ちた。
そのまま姿が見えなくなるのと同時にすぐに入り口を閉めて、二人の元へ走った。
玄関の方へ行くと、二人はまだそこにいた。
加奈は相変わらず倒れたままで、青山は倒れている加奈を見てボーッとしていた。何かを迷っているような感じだった。
「あ、青山!?」
「西条!大丈夫なのか?やつに何を」



