「俺はまだ君に伝えたい事がいっぱいある」

そう。

俺はまだ君に伝えられてない事がいっぱいある。

たとえ君が俺から目を反らそうとも俺は君から目を逸らしはしない。

「例え君が俺を助けたせいで罪悪感を抱えてるのならばそれは間違ってるっ!!」

「間違ってないっ!」と彼女が叫んでる。

けど、そんなの関係ない。

だって冴凪さんは言ってくれたから。

「きっと俺の両親は君を恨んでないし、二人も、冴凪さんも自分がやりたいからやったんだ」

「ううっ……私が憎くないの…?」

「そうだね、君を憎めたらどんなに楽なんだろうって思うよ」

そう本当にそう思う。

彼女を憎めたらどんなに楽なんだろうって思う。

でも、しょうがないじゃないか。

「君が俺を助けたと聞いたときから、再会した事を運命だと思ってしまったんだから」