「立花透...君」

  思わずボソッと呟くとすぐ後ろに悪戯っぽく微笑む青年がいた。

  「はーい、呼びましたかー?」

  サングラスを掛けて変装しているが彼の声を覚えてた為か直ぐにわかる。

  彼が本物の立花透である。


 「なっ、、なんで!!!!!!?」

 
  本当にびっくりした私とは裏腹に彼は先ほどの画面の中の様にニコッと笑う。

  まるで会える事を分かっていたように。

 「撮影できてたんだ。で、自分達の映像が流れてるって聞いたから見に来たわけ」

 「そしたら君に会えた」

  とろけるような笑顔で私に微笑みかける彼にドキッとしてしまう私。
 
 今までその感情を感じた事は忠史以外いなかった。

  恥ずかしくて思わず彼から目を逸らしてしまう。

 それでも彼は何度でもいうんだ。

 「会いたかった」と。