「さっきはため息吐いて悪い…これからは躍りも歌もちゃんとやるからっ!」


「……透は覚えてないんだね」

「え?」

「私達昔一緒にとあるドラマが原因で歌って踊ってたんだよ。あの時はもっと楽しそうだった…」

"変わっちゃったね"とぼそりと呟く三咲ちゃんはそのままスタスタと俺を廊下に置いてきぼりにして行ってしまった。

変わるのは悪い事だろうか。

俺の記憶の中では子役時代は苦しい事ばかりだった。

確かに彼女の様な子との出会いもあったけれど。

それ以上に苦しかったんだ。

周りが皆敵に見えて。