「ねぇ、葵となんかあったわけ?」 「……へ?」 雅さんが私に話しかけてくるなんて、珍しい…… じゃなくて! 今、雅さん、葵くんって言った? 言ったよね!? ま、まさかさっきの見られてたとか? 急に恥ずかしくなって、両手で頬を隠す。 もう既に遅いことはわかっているけれど。 「図星ってわけね」 「あ……」 そうじゃない。 うん、とも、はい、とも言っていないけど、こんな反応していたら肯定しているようなもの。 はぁ……私ってバカだ。 私は深く深くため息をついた。