葵くんはすぐに戻ってきて、電源を付けて私の後ろに座って髪を乾かしてくれる。



「熱くない?」



「うん、大丈夫」



髪を触られるのは、結構好きだったりする。



しばらく無言の時間が続いて、気まずくなった私は、話を切り出した。



「葵くんってさ、蓮くんとか雅さんと違うよね」



「そう?」



「うん、蓮くんとか雅さんは冷たいけど……葵くんはいつも優しくて」



「そんなこと言われるなんて、嬉しいな」



「本当のことだよ?」



こうやって話している葵くんは、やっぱり可愛い男の子で思わず笑顔になる。



こんなたわいない楽しい時間が、ずっと続けばいい。



心なしか、葵くんの頬がちょっぴり赤くなったような気がした。