「よかったねぇ、絃」



「うん!瞳、ありがとーっ」



あの一件は無事に解決……したのかはわからないけれど、以前と変わらない生活に戻ることが出来た。



今も私は、佐伯家に居候中。



……とはいえ、"3ヶ月以内に佐伯家3兄弟をおとす"その居候する条件の期限まで、あと2週間を切っている。



「……どうしよう」



今のところ、落とせたのかと言われればよくわからないけど、好きだと言ってくれたのは葵くんだけ。



雅さんは嫌いじゃないとは言ってくれたけど、嫌いじゃないだけで好きではないらしい。



蓮くんに至っては、論外。



強敵を残したまま、期限が迫っている。



「ねぇ、瞳ーっ!私はどうしたらいいの」



私には、瞳だけが頼りなの。



手を合わせて、必死にお願いしてみたけれど……



「うーん、もうどうしようもないわね」



と返されてしまった。



あぁ、私の人生……



高校2年生にして、ホームレス生活。



お先真っ暗。