「からかわないでっ」



「おい、お前。廊下のダンボール邪魔だからさっさと片付けろ」



私たちのやり取りがうるさかったのか、私に命令だけ残して自室へと姿を消した。



「もー、蓮兄も冷たいんだから。絃ちゃん、さっき部屋案内するって約束したし説明するね?」



「は、はい。お願いします」



「なんで敬語なの?僕の方が年下なんだからタメで話してよ」



「う、うん。わかった」



どうしても口から出る言葉がぎこちなくなってしまう。



男の子と話すのって、難しい。



葵くんは、お喋りが好きみたいで沢山自分のことも家のことも話してくれた。



雅さんは、大学1年生。頭も良いらしくて、この地域で1番学力の高い国公立大学に通っているらしい。



とにかく女嫌いで、そのルックスから告白は何度もされてるみたいだけど、必ず断る。



もちろん家に女の人を上げたこともないらしい。