「瞳ぃ……っ!」



「ちょっと、大丈夫?突然泣きながら電話きて、びっくりしたんだから」



あのあと佐伯家を飛び出して、行き場のない私は、涙をボロボロと流しながら瞳に電話をした。



すると、優しい瞳は家においでと心優しく迎え入れてくれたのだ。



棚の上に小物が飾られていたり、ファッション雑誌が本棚に立てかけてあったり……



瞳の部屋は、女の子らしく可愛い。



そんなお家にお邪魔すること、もう1週間。



帰る家がないからとはいえ、さすがに瞳や瞳の両親に申し訳なくなってくる。



それでも迷惑がらずに居させてくれた、優しい瞳の両親。



瞳の優しさは、きっとこのふたりから受け継がれたんだろうと、身にしみて感じていた。