瞼の外に一筋の微かな光が見える。



廊下から部屋の中に差し込む光。



少ししてドアは静かに閉められたけれど、部屋の中には人の気配がする。



その人はゆっくりとベッドに寝そべる俺の隣に歩いてきて、静かにしゃがんだ。



「寝てるかな、起きてるかな……何も言わなくていいから、聞いててね」



何も言わなくていいから、聞いててって……



もし俺が本当に寝ていたらどうすんだと、心の中でつっこみをいれながらも、目を閉じたまま耳を傾けた。



「全部、葵くんと雅さんから聞いたよ。私はね、ただ……蓮くんたちをおとすって約束だったから、イメチェンをして脅かしたかっただけだったの」



そんな事だろうとは思っていた。



あの日、可愛いとでも言えというふうに、リビングで見せびらかしてきたんだから。



「ただ、それだけだった。でもそれが蓮くんを苦しめていたなんて……本当に、ごめんなさい」



自分の問題なのに、悪くもない奴に謝らせてしまっている。



こんな俺でも少しは持ち合わせている良心がチクリと痛んだ。