「住んでもいいけど、条件がある」



「……条件?」



何、条件って。



ニヤリと不敵な笑みを浮かべる蓮くんは、ちょっぴり怖い。



「俺たちを落としてみろ」



「えっ?」



戸惑う私に、ふっとキッチンの奥で笑う雅さん。



「期限以内に俺たちがお前を好きにならなかったら、すぐに出てけ」



この言葉で私はどん底へと突き落とされた。



「期限は3ヶ月。それまでに雅と葵と俺、全員だからな」



3ヶ月以内に3人を落とす?



つまり、私を好きにさせろってことだよね?
恋愛なんてわからない。



恋愛初心者の私に、そんなことは無理難題。



「頑張ってね、絃ちゃんっ」



そんな優しい葵くんの言葉も耳になんて入ってこない。



もし、その期限内に3人を落とせなかったら?



私の未来はホームレス。お先真っ暗だ。



お父さんとお母さんだって、いつ戻るかわからない。



今更空港に行って相談しようたって、どうしようもないし既に空の上だろうから手遅れだ。



一体どうしてこうなっちゃったの?



ただただ私は、そこに立ち尽くすばかりだった。