『私だって……私だって、可愛くなりたいって思うのはダメなの!?最低っ……蓮くん最低だよ、バカ!!』



そう言って、絃はこの家を出ていった。



「絃ちゃん……!」



「葵、追いかけるな。どうせ友達のとこにでも行くだろ」



「でも、」



「放っておけ」



絃が出ていったあと、すぐに名前を呼んで追いかけようとしていた葵を俺は止めた。



きっとアイツの耳には届いていないだろうし、たとえ葵が行ったって何も変わらない。



「蓮兄……」



「蓮」



「ちょっと頭冷やしてくるわ」



憐れむような目を向けてくる雅と葵に居心地の悪さを感じた俺は、そう告げて外へ出た。



走っていった絃の姿はもう無い。



それにしても、何なんだよあいつ。



3ヶ月以内に俺たち3人をおとさないと、家から追い出す。



そう話を持ちかけたのは俺だ。



いい暇つぶしになると思った。