「でも、せっかく瞳に可愛くしてもらったし……雅さんと蓮くんを惚れさせるためにも1度は見てもらわなくちゃ!」 そこは譲れない。 私のために瞳がしてくれたことを無駄になんかしたくないもん。 必死に止める葵くんを無視して、私は雅さんと蓮くんの声が聞こえるリビングへと足を踏み入れた。 「待って、絃ちゃん!!」 ……と緊迫した葵くんの声を振り切って。 今思えば、ちゃんとその忠告を聞いておくべきだったかもしれない。