「雅さん……」
「なに?」
名前を呼ぶとすぐ返してくれるあたり、雅さんは本当に何も思っていないみたいだ。
さっきから、ずっと胸がモヤモヤしている。
そんなモヤモヤが気持ち悪い。
怖いけど、確かめたいことがある。
「私のこと、嫌いですか?」
疑問をそのまま口にしてしまって、ハッとする。
「ご、ごめんなさい……何でもない」
こんなこと確かめたって……
それに、さっきみたいにハッキリと嫌いだって言われたらどうするの?
3ヶ月以内に惚れさせないと追い出される前に、私が居られなくなって出ていくことになってしまう。
バカだなぁ、私。
「……じゃないよ」
「え?」
ぼそっと聞こえた、雅さんの呟いた声。
「だから、絃ちゃんのこと嫌いじゃないって」
「ほ、本当に?」
信じられなくて、必要以上に瞬きしてしまう。